COSMO-NEXT COMPANY

コラム

第122話:「柔軟性より原則」
「変化に強い組織は、“柔軟性”より“原則”を持っている」
――環境が変わるとき、会社は何に立ち返るのか?
世の中は、かつてないほどのスピードで変化しています。技術革新、人口減少、価値観の多様化、そして突発的な災害やパンデミック…。
こうした外的要因にどう対応するかが、企業の明暗を分けます。
よく言われるのが、「柔軟性がある組織は強い」ということ。もちろんそれは間違っていません。しかし、変化にただ“流される”組織では、持続的な成長は難しいのです。
実は、変化に強い企業ほど「原則」を大切にしているのです。

■ なぜ“原則”が変化に強いのか?
原則とは、「どんな環境でも貫くべき価値観や考え方」です。
たとえば――
・「顧客の立場で考える」
・「品質は一切妥協しない」
・「社員の挑戦を歓迎する」
こうした“ブレない軸”を持っている組織は、たとえ時代が変わっても、判断や行動がブレません。
逆に言えば、変化にどう対応するかの“判断軸”になるのが、この原則なのです。

■ 変化への適応と、軸の両立
変化に“反応”するのではなく、変化を“取り込む”組織になるには、
次の3つの要素が必要です。
1.不変の価値観(原則)
  自社の存在意義・大事にしたいものを明文化しておく
2.現場の感度(情報収集と共有)
  お客様の声、社会の変化をつかむ仕組みを作る
3.行動への変換力(スピードと裁量)
  新しい施策を試せる柔軟な仕組みを導入する
つまり、「軸は固く、動きはしなやかに」が理想です。

■ 実践ヒント:あなたの会社の“原則”を3つ挙げられますか?
社員に「うちの会社が大事にしている価値観って何だと思う?」と聞いたとき、答えがバラバラなら要注意です。
トップが大事にしていても、社員が共有していなければ、それは“ただの思い込み”です。
組織の“軸”を言語化し、日々の行動に落とし込む。それこそが、変化の時代を生き抜く力になります。

■まとめ
「柔軟なだけでは流される。強固なだけでは折れてしまう。」
現代の企業に必要なのは、しなやかな強さです。
その土台となるのが、“変わらない原則”です。
環境がどう変わっても、最後に立ち返る場所があれば、人も組織も迷わず進めます。
あなたの組織の「原則」は、どこにありますか?